ホームステッドホテル

こんにちは。先回は脱線してしまいました。
今日は先々週お話しましたホテルのオープンが間際になった頃の私の日常生活を書きます。
午前中に学校がある日は午後から家事をし、子供達が学校から帰ってくるのを待っています。夏に近づくに従い日照時間が長くなって来ていますので子供達が学校から帰ってきても十分遊べます。子供達の友達が遊びに来たり、家に子供達が遊びに行ったりするのですが、私は何時もそれに付いて行きます。子供達も私が付いて行くのを望むのですが、私も付いて行くのを望みます。何故なら子供達の英語は最高の教材だからです。
ある日、Kim(娘)と話をしていて男友達の年齢を訊いたことがありました。Kimは「年齢を訊いてはいけない。例えそれが男性でも。」と言いました。私は外国では女性の年齢を訊く事はいけないことだとは知っていましたが男性までいけないことだとは知りませんでした。ここでも如何に自分が無知であるかを知りました。

さて、午後からの授業の時は午前中に家事を終了し、お昼ご飯を食べてから学校に行きます。だいたい4時過ぎには帰宅できるので、その頃には子供達は遊びに行っています。こんな日にはホテルのオープンを手伝いに行きます。お父さんはホテル全体のオープンの準備をしていますが、お母さんはホテル内のお土産屋の担当なので私はこちらを手伝います。お土産物を箱から出し一つ一つ拭いて棚に飾り付けて行きます。この準備はとても楽しいものでした。その頃の日本では外国製品のテーカップ、コーヒーカップ、ガラス製品、模様が入ったスプーンやナイフ、小物等外国製品という物は東京でも特殊なお店か高級デパートしか置いて居ませんでしたし、到底貧しい学生にはこれらを扱っているお店に入ることも、買うことも出来ませんでした。made in England,made in Germany,made in France等と書かれているお土産は私には宝物に見えました。これらを買うことが出来る人たちはどんな人たちだろう、キットお金持ちだろうと想像していました。

ホテルで働く人たちも徐々に増えていきました。この方達はBanffに住んでいる人たちではなくトロント方面や色々な州から来ている人たちばかりです。Banffのような観光地では夏の間だけオープンするホテル、レストランなどがあり、この期間だけ働く方達でした。日本人を見たことが無い人たちばかりで、私は皆さんにとても可愛がっていただきました。暇が有る時に色々なBanff周辺の観光地に連れて行ってくれたりご飯を一緒に食べたりし、この時はカナダの色々な州や街の様子を聞くことができましたし、州によっても法律から慣習が違うことも知りましたし英語の勉強にもなりました。ある夜、誘われてサルファーマウンテンに在るスパ(サウナ)に行った事があります。ここは天然の温泉の熱を使ったスパで、スパに入った後何枚もの毛布で包まれて汗を出す。という方法でした。文字通り裸の付き合いです。この時はカナダ人の足の長さに驚きました。スパの帰りにバーに連れて行ってくれました。カナダで始めてお酒を飲みましたが、お酒の支払い方法が理に適っているのに驚きました。1杯のお酒が来るたびにお金を支払うというものでした。現在の留学生にとっては何でもないことなのですが、この頃の日本ではこの支払い方法は全く見たことも聞いた事も無い方法でしたので私には凄い発見でした。この方法は自分の予算に応じて飲むことが出来るので安心です。

ホテルのオープン当初は人手不足で部屋の掃除をお手伝いしましたが、この時ベッドの上に置いてあるお金がチップで掃除をした人が受け取っていい正統なお金だと知りました。この時代のHomestead Hotelの宿泊費は一人部屋で11カナダドルでした。そう言えば、留学後半にカナダとアメリカをバックパックしている時に宿泊したトロントのYWCAも1泊一人部屋で12カナダドルでした。今では考えられない料金でした。
学校以外は家事をしたりベビーシッターをしたり、ホテルを手伝いながら自分が学んでいることを実際に経験したりと、大変充実し忙しい日々を送っていました。でも、自分の夢を実現することに近づいていると思うと毎日がワクワクするものでした。

 Kazu