そう言えばビクトリアから戻って直ぐの頃、学校も始まっていないある日、突然「私たちはこの家を出て行かなければならない。」と言われました。
英語が定かではない頃なので私の聞き間違いと思っていましたが、私が理解できていないような顔をしていたので何度も同じ事を言ってくれました。

やはり「この家を出て行かなければならない。」と言っていました。私はその言葉に対して何を言っていいのか分からず、また分ったとしても英語で何と言うのかが分らず黙っていると「この家の壁を“polish”するから。」と言いました。

“polish”という言葉は「磨く」と理解していましたが日本では「壁を磨く」と言う行為そのものが有りませんので英語が理解できてもお母さんが話している言葉の内容が分りませんでした。
お母さんが“polish”を説明してくれました。
“nail polish” “sho polish”と“polish”の意味を繰り返し言ってくれました。

今でこそカナダの友達が自分の家の壁塗りを自分達でやる。とか、壁を自分達で磨くとかやってきているのを見ているので分りますが、この頃は「壁を磨く???」謎でした。
人間、想像もしていないことを言われると理解不能になることが有ります。
この時は人生で経験したことも無いこと、想像もしていないことだったのでチンプンカンプンでした。
毎日の何でもないことに文化の違いが有りますね。

「家の中の壁を磨くから3日ほど家を出て行きます。ガーモンモーテルに滞在します。」と言うことでした。

Frame家はホームステッドホテルガーモンモーテルを経営しておりました。モーテルと言う言葉は日本では良い印象が有りませんので「モーテルに泊まるの?」と不安でした。
ところがモーテルと言うのが車を部屋の前に停めて、フロントを通らずに部屋まで行くことができる庶民向けの宿泊場所だと後から知りました。
和製英語恐るべし!です。

ガーモンモーテルホームステッドホテルの目の前に在るのですが、滞在している時はどこかに旅行にでも来ているような感覚でした。家に戻れないので食事も外食でした。これも旅行に来ているような感覚にしてくれたのでしょう。
今はこのモーテルはバンフパークロッジの一角に成っております(悲)
3日立ち家に戻ってくるとスッカリ壁が綺麗になり家中が明るく感じました。そして、不思議なことに自分の生まれた家でもないのに“ホ”としました。

色々な文化や習慣の違いの有る中で手探りの状態で誰も頼る人が居ない日々を送ることが大変だとか辛いとか思ったことは全く有りませんでした。
それより、次は何が有るだろう、何が待っているだろうと想像するだけでドキドキ、ワクワクでした。Kazu

P.S 
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