ある日のことでした。子供たちの友達が家に遊びに来ました。いつもの様に私も遊びに加わりました。彼らが話すこともかなり分ってきて、とても楽しく遊んでいた時のことです。一人の子供が椅子から飛び降り足首を捻挫したようです。

その時、Kim(娘)が“ Bring Ice cube! “と叫びましたが・・・・私にはこの単語が何を言っているのか分りません。Kimは何度も“Ice cube!”と叫びました。未だ理解できない私に業を煮やしたKimは冷蔵庫に私を連れて行き“ this is Ice cube. I need this for him.”と言って氷を持って行きました。この時の私は自分の情けなさに悲しくなりました。“Ice”という言葉は分っていましたが、“Ice cube”は分らなかったのです。この情けない出来事が私に更なる奮起をもたらしました。

それからのある日、お母さんとお母さんのお友達の家に遊びに行った時のことですが、その家の子供と遊んでいる時に玩具のシャベルで肘を殴られ、殴られた部分が酷く腫れたことがありました。

この時、お母さんが「“Ice cube”で一晩冷やしなさい」と言いました。この時、思ったのが「単語を増やしていくには実践して覚えていくのが確実だ!」と言うことです。もっとも痛い実践でしたが(笑)

腫れは次の日には引きましたが、この痛い勉強方法によって覚えた単語は何時までたっても忘れません。
殴られた時に殴った子供のお母さんが「医者に行きましょう」と言われました。でも、行くことが出来なかったのです。理由は金銭的に余裕が無く医療費を自分で支払うことが出来ないためでした。

この時代には今のように「留学生保険」は存在しなかったのです。滞在中、歯が痛み始めたことがありました。もちろん歯医者に行くことは出来ませんので、日本の家族に電話をかけ虫歯用の痛み止め薬を送ってもらいました。

薬の値段より電話代のが高かったです。この時の電話代は「料金相手払いシステム」を使いましたので、私は電話代を支払わなくても済みました。

そして、私は時差と言うものの知識が無く、家族に電話をかけたのが朝方の3時でした。この頃にskypeやmessengerなどが有ればよかったのですが(残念)。

語学の習得やカナダと日本の違いを覚えていくのは文字通り「暗中模索」でした。時差も簡単な単語も知らずに一人カナダに渡ったのは、今思うと凄い冒険でした。でも、一単語ずつでも増えて行き、カナダの事を一歩一歩でも覚えていくのは嬉しい事でした。  Kazu