夢を追いかけていた私が居た!

滞在する国も決まりましたが、何をすればよいのかも分からないままに準備を進めていかなければなりません。

パスポート取得方法は分かりましたので、先ずはパスポート申請をすることにしました。現在は東京都の中でも数か所の申請場所が在りますがこの頃は有楽町の交通会館しか在りませんでした。私は大学のために東京へ来た時点で住民票を東京に持って来ていたので東京で申請をすることにしました。

申請は現在のように簡単ではありませんでした。必要なものは住民票、戸籍謄本または戸籍抄本、写真2枚(裏面に英語と日本語で署名)、表面にパスポートを申請する本人の現住所と名前を記入したハガキ1枚、海外に行くことを証明する書類(例えば航空券や旅行会社による渡航証明書)、申請書類2枚、未成年者は親または保護者の渡航承諾書、印鑑、顔写真付き身分証明書、健康保険証、年金手帳、学生証明書など身分を証明する物を申請書類とともに提出しました。申請書が受け付けられて数日すると提出したハガキに受取日が記入されて送られてきます。そのハガキと受付証明書と印鑑、申請料金と身分証明書を持ってパスポート申請所へ取りに行きます。

この時代はネット環境などなく住民票や戸籍を地元から取り寄せる為には代理人に市役所まで行ってもらい住民票などを取って郵送してもらうか、市役所に電話をして戸籍などを取りたいことを告げて、料金を振り込むか現金書留で郵送して支払いをしてから郵送していただくしかありませんでした。

おそらく初めてパスポートの申請に行った時は10月ごろだったと思います。

親に郵送してもった戸籍など必要な書類を持って交通会館へ出かけました。ところが、この時未成年者は保護者または親の承諾書が必要なことを知らなかったのです。そしてこの頃は大学紛争が終了してからそれほど時が過ぎておりませんし、大学紛争とまでは行きませんが大学生のデモなどはマダマダ色々な所で起こっておりました。地元にある大学でも正門の所には大きなバリケードが有り、そこには政治に対する批判からアメリカに対する批判まで書かれた立て看板がありました。未成年で親の承諾書も持っておらず、大学生でヨレヨレのジーパンをはき洗いざらしのトレーナーを着て申請に行っても受け付けていただけないことは当然だったのかもしれません。現代と違い当時は見た目で人を判断することがとかく当たり前の時代でした。とにかく、申請所の係りの人たちは怖かったです。