夢を追いかけていた私が居た

 

途中ハワイで給油のために飛行機が着陸し機外へ出ることが出来ましたが、ハワイでアメリカへの入国審査を受けることは有りませんでした。通常ですと最初の到着地で入国審査が有りますが、入国審査は行われず空港の外に出ることはできませんでした。空港内のほんの一部しか立ち入ることはできませんでしたが少しだけ歩いたハワイの空港内の情景は今でも忘れることが出来ません。おかしな表現かもしれませんが「天国ってこんな感じだろうな~」と感じました。

この時代、沖縄はまだアメリカ統治でしたのでパスポートが無ければ行くことが出来ません。現代の海外旅行の様に海外を旅行することは気軽ではありませんでした。以前にも書きましたが当時はアメリカに入国するためには観光であろうとビザが必要でしたので、沖縄に行くためにはパスポートだけではなくビザを所持していなければなりませんでした。使用できるお金も円ではなくドルでした。与論島からほんの少しだけしか離れていない沖縄なのに気軽に行くことはできませんでした。九州や四国などの遠距離の旅行自体も簡単に行くことはできません。東海道新幹線は岡山まででしたし、飛行機はとても金額が高くて、九州などは新婚旅行だから行くことが出来る場所でした。文字通り南国と言うものを見たのは初めてでした。

空港内の中庭には南国特有の植物が生い茂り、オウムが木の枝に居ましたし色鮮やかな小鳥たちが飛び交っておりました。たった2時間ほどしか居ることはできませんでしたが「ここにいつか戻ってこよう」と思いました。

この頃の私は時差を知らなければ、飛行時間も知りません。夜に日本を出てハワイには朝到着し、朝ハワイを出て夜ロサンゼルスに到着し腕時計を見たら午後3時。しかしロサンゼルスは夜で空港内の時計を見たら夜6時過ぎ。ハワイとロサンゼルスには3時間の時差が有ることなど知りませんので腕時計が壊れたと思いました。多分中学校の社会の時間で時差に関しては勉強したのでしょうが覚えてはいなかったのです。ですからハワイから西海岸へ行くには何時間も飛行機に乗らなければならないと思いました。

ロサンゼルス空港に飛行機が下りるときは嬉しいような怖いようなとても複雑な心境でした。

ロサンゼルスで入国審査です。ここからは英語の世界に成ります。嬉しいよりも、やはり不安が勝っていました。