夢を追いかけていた私が居た

 

ロサンゼルスでの入国審査の係官は親切な方だったと思います。海外旅行の英会話本で入国審査のやり取りを練習して行きました。しかし、その時に係官の方が質問していることを聴き取ることが出来ていたかどうかは定かではありません。おそらくとてもゆっくり、数回同じことを質問してくれたと思います。

入国の時は一般的な入国審査の質疑応答でした。

この頃は、入国審査、税関検査、検疫所と在り三か所での検査成り審査を受けなければなりません。

検疫所を通る時に子供の頃映画館で観たある邦画での一場面が浮かびました。それは日本のワサビがハワイではとても高価な物で何とか持ち込もうとしてサンドイッチの具材としてワサビをパンに挟み込み検疫所を通ろうとしました。しかし、検疫管に「それは何ですか?」と訊かれ「サンドイッチです」と答えたところ「ここで食べてみなさい」と言われた場面でした。

この映画は憧れの海外であるハワイでのロケでしたので何度も見ました。その頃の映画館は入れ替えが有りませんでしたので、一回分の入場料で朝から最終まで観ることが出来たのです。

税関審査では今でも覚えていますが、ホームステイ先の子供にお土産用の人形を持っており「それは何ですか?」と尋ねられ「滞在先の子供のお土産です」と答えることが出来たことです。この時代は「ホームステイ」と言う言葉は有りませんでしたので「滞在する家の子供用」と返事をしました。多分、会話本の例題文以外で初めての英語による質疑応答が出来た言葉でしたので覚えていたのでしょう。

この時代の税関審査は全ての渡航者がスーツケースを開けて中身を見せなければなりません。私も口頭での質疑応答後スーツケースを開けて検査を受けました。そして、係官の方の目に留まったと言いますか、鼻に留まったものが有りました。それは「正露丸」と言う胃腸薬でした。私たち日本人はご存知だと思いますが正露丸は匂いが強く、アメリカ人には異臭だったようです。正露丸のお陰で別室に行く羽目になりました。何とか没収されずに税関を通ることが出来ましたが、英語を話すことが出来ない自分が情けなかったです。この事はアメリカ入国だけでは無くカナダ入国でも起こりました。

この後ロサンゼルスのホテルに一泊し、カナダ行きの飛行機に乗ることが出来るのかとても不安になりました。

現代の留学生には荷物として持って行く薬は英語で説明が出来るようにとアドバイスしています。