夢を追いかけていた私が居た!

 

ロサンゼルスの空港で全ての検査を終え、ここで羽田から一緒に来た方たちとお別れです。みなさんそれぞれの留学先に分かれていきました。私はここからカナダのカルガリーまで一緒に行く邦子さんと二人だけに成りました。江沢邦子さんは社会人の方で、やはり外国生活に憧れて留学試験を受けられたそうです。

空港の外には映画で見たことのある景色が有りました。「ここは外国なのだ!!」という感激が湧いてきましたが、先ずは宿泊ホテルまで自分たちだけで行かなくてはなりません。

周辺を見回すとこれも映画で見たことのあるホテル直通の電話機が有りました。

何件もあるホテルの写真から予約をしてある「ハッシエンダ ホテル」を見つけましたが

何を話したらよいのか分かりません。そこで持参した会話本を開き事前に練習をして電話を掛けました。驚いたことにホテルスタッフの方に通じたのです。

この時は嬉しかったとともにちょっと自信もつきました。

数分後ホテルの車が迎えに来て、邦子さんと車の中でホット溜め息をつきました。

ホテル到着後は機内で練習しておりましたチェックイン用の会話が役に立ち、すんなりと部屋に行くことが出来ました。

それまでの人生で洋式ホテルなどに宿泊したことは有りませんので、ホテルがどのようになっているのかも知りません。

この時代は旅行に行って「○○ホテル」と名が付いていても内容は和式ですし、何処の家庭でもトイレは和式で洋式のトイレを経験したことは有りません。

もちろんお風呂にしても洋式バスは経験したことが有りません。どのように使用したら良いのかは映画やテレビ番組で見ておりましたので問題なく使用することが出来ました。

ただ、初めて使用した時の感激は現代の若い方たちには理解できないでしょう。

夢に見るほど憧れた外国生活の始まりの前の始まりです。経験したことが無い物を経験できた喜びは、単にお風呂やトイレを使用すると言う些細な事でも感激してしまいました。

今でもフット思い出すのですが、空港まで迎えに来ていただいた運転手の方にチップを渡すことを忘れていたのです。実際はこの時チップを渡すと言う行為に慣れておらず、渡すことさえ気が付かなかったのです。今にして思えば申し訳ないことをしました。

2人とも安心したので空腹を感じました。空港周辺なのでレストランとかは見当たりませんのでホテル内で食べるしかありません。部屋の中で「レストランは何処でしょうか?」と言う会話を練習し、フロントまで行き「レストランは何処でしょうか?」と訊くことが出来ました。レストランでの注文は以前どこかで書きましたが、この注文も会話本で練習をしていきました。

明日からは会話本をあてにせず自力で頑張るしかありません。さてどうなることでしょう?