夢を追いかけている私が居た!

 

今も昔も同じ景色なのですが、カルガリー市街を抜けバンフに向かって行くと、一本の真っ直ぐな道が在ります。その道は遥かかなたまで両側は牧草地帯です。季節により大きな藁の塊のような餌が牧草地帯に転がっており、牛が広大な土地に散らばりのんびりとしています。この景色はかなりの間さほど変わらず、この変わらないことがスピードに対して勘違いを起こさせあまりスピードが出ていないような感覚になります。

バンフ方面に向かって行けば途中からロッキー山脈が見えてくるので変化が有り途中でスピードメーターを見直すことも有ります。しかし、これがカルガリーを起点として反対のレースブリッジ方面に向かうと全くの牧草地帯で、ヒタスラ真っ直ぐな道が最後まで続きます。もちろん途中に家などは無くガソリンスタンドがレストランと雑貨屋を兼ねて一軒だけ在り信号も有りませんでした。景色が変わらないと言う事はスピード感覚を判断するものが無いと言う事で自分自身で気を付けていないと知らないうちに100キロは超えてしまいます。

バンフ方面にしてもレースブリッジ方面にしても道路にはガードレールが無く、道路から路側に落ちている車を見かけることが良くあります。

昔も全く同じで、カルガリーからレースブリッジ方面へバスに乗って向かっておりますと、明るい内は良いのですが街路灯もない夜などはバスが走っているのかどうかも分からない感覚に襲われることが有りました。

2軒目のホームステイ先がウォータートンレイク公園の入り口で有りますピンチャクリークと言う人口が約2000人のとても小さな町で、カルガリーから一日に2便だけ走っているグレイハウンドバスで4時間ほどかかります。バスに乗って家に戻る時にはバスが走っていないような感覚になりとても遠く感じたものでした。

当時のカナダではスピード表示はキロ表示ではなくマイル表示で重さはポンドを使用しておりました。この頃の私は世界中の国ではスピード表示はキロで、重さはグラム表示だと思い込んでおりました。なんといっても海外で使用できるお金はドルだけだと思っていたぐらいですので当然の勘違いだったのかもしれません。

さて、到着したその日はこんな快適な道路で快適な車の座席で睡魔に襲われ完全に眠り込んでしまい途中の景色を見落としたことはもったいなかったと思いました。しかし、数か月後にフレームお父さん、お母さんと移民局へ行くためにカルガリーに出掛けました。その時にバンフからカルガリーまでの景色を見ることが出来ましたが、その見落としていた景色の素晴らしさは今も目に焼き付いております。

日本から到着した時にはカルガリーの街を見てみる余裕はなかったので、遥か彼方の周囲に何もない場所にポツンと出現したカルガリーに驚きました。今以上に周囲には何もなかったのです。そして、高いビルもあまり無い小さな都会でした。今では訪れるたびにスカートの裾のごとく広がっていく街に感動しております。