夢を追いかけている私が居た!
眠れないままカナダ到着2日目の朝を迎えました。
何をしたらよいのか分からないまま家の中をウロウロしておりますと「朝食です」と呼ばれました。何も手伝うことをせずに朝ご飯だけ食べることになってしまいました。
トースト、コーヒー、グレープフルーツが半分。子供たちはシリアルです。
この時生まれて初めてグレープフルーツと言うものを食べました。今時ではグレープフルーツを見た事も食べたことが無い!などと言ったら笑われますが、この時代には東京のアパート周辺のスーパーマーケットでもグレープフルーツを見たことが有りませんでした。多分、青山や六本木当たりの大使館が在るような場所のスーパーマーケットには有ったのかもしれません。
初めて見るグレープフルーツをどのように食べたら良いのかもわかりませんでした。
「どうやって食べたらよいのですか?」と尋ねました。
そこでお母さんがグレープフルーツの食べ方を教えてくれました。小さなナイフで周囲を切り、一つ一つの袋に切れ目を入れました。とても細かな事でしたが、“これが西洋か!„と感激しました。今ではグレープフルーツが大好物になっております。その後、食べ物だけでも初めての経験が目白押しとなっていきました。オレンジを皮ごと食べるのもカナダで初めて経験しました。もちろんオレンジ自体が初めてでしたけれど。
「カナダは寒い国だからフルーツは殆どアメリカからの輸入です」とお母さんが教えてくれました。マダマダ日本は貧しい時代で、円安と呼ぶこともできないぐらいのドルと円の関係でしたから輸入製品と言うものは地方の小さな都市では見ることもまれでした。輸入製品はとても高い物でしたので「輸入」と言う言葉は学校の教科書の中だけでした。
そう言えば輸入品であるバナナは一般家庭ではなかなか買うことはできませんでした。
先日も同じ年代の方と話をしております時「カレーライスにはお肉は入ってなかったよね」と言う話題になりました。カレーライスの具材である肉をカレーの中から探すのは困難でした。お肉が入っていても細切れで、今では一般的なカレー用角切り肉なるものは皆無でした。
朝食が終わり、片付けをした後お母さんがベッドの作り方を教えてくれました。朝は必ずベッドメイキングはするようにと言われました。
2日目からは家族の一員として扱われ、やらなければいけないことを教えていただきました。