パーティーがお開きになりお父さん、お母さんと一緒に帰ろうとパーティー主催者のCampbellご夫妻の所にあいさつに行った時の事です「私たちには息子が居て少し障碍者なのだけれど、暇な時には遊びに来て息子と遊んでくれないかしら」とのことでした。
色々なカナダの家庭を見てみたいと思っておりましたので、この申し出には異存は有りませんでした。そして、お父さんもお母さんも賛成をしてくれたので「また遊びに来ます」と返事をしました。
家に戻ってからは今日の出来事に興奮してなかなか眠ることができませんでした。
それから数日したある日、Campbellさんから家に電話が入りお誘いを受けて遊びに行くことにしました。
Campbellさんの息子さんはジェイミー君という男の子で、現代で言うダウン症です。
Campbellさんのお母さんは日ごろ仕事をしており、その間はおばあちゃんがジェイミーの世話をしていらっしゃいます。しかし、この日は家にいらっしゃりお昼ご飯をご馳走してくれました。この時のお昼ご飯は忘れることが出来ません。
それは生まれて初めの外国であるロサンゼルスのホテル内レストランで注文した物と同じものでした。その時はメニューの英語を読むことが出来てもそれが何なのかが分からず、でも注文してしまったレバーカツレッツ!です。ついこの前であるにもかかわらず何と無く懐かしい味でした。
この頃の日本ではレバーはニラレバにするのが主流でした。冷蔵庫はもちろん有りましたが、冷蔵システムが今の様に良いわけでは有りませんので保存が余りできないレバーはメニューには有りませんでした。この時代の焼き肉はホルモンと呼ばれ部位の焼き肉が主流でしたので、高級な店しかカルビなどは扱っておりませんでした。レバーは私たち貧乏人の代表である学生が安い食堂で食べるものでした。
昼食後はジェイミーと裏庭で遊びました。それまでダウン症の人と接したことが無かったのでどうすれば良いのか分かりませんでしたが、ごく普通の子供たちと同じように遊ぶことが出来ました。
日本は障碍者の方々を隠そうとされますがカナダでは障碍者は一人の個性として認識し一般の方々と同じことをされますし、ごく普通に外出します。
ダウン症の子供と接すことが出来たのはとても貴重な体験でした。