フリッツのお父さんはドイツ系カナディアンです。お母さんは純粋なカナディアンです。

カナダの人に純粋と言う言葉は適切かどうかわかりませんが。

ですからお父さんはとても勤勉です。

私がこの家に移ったころは夏時間帯がそろそろ終わる頃で、日が沈むことが少しずつ進んでいきました。ですからお父さんが会社に出勤するのは暗い内でした。そして暗くなってから帰ってきます。この事で勤勉と言ったわけではありません。病気ではなく彼が仕事を休んだのは一度だけで、土曜日、日曜日以外で仕事を休むことは全くなかったからです。

この欠席は私のビザの書き換えの為でした。

この頃の私はカナダに来て約半年しかたっておりませんでしたので、カナダの地理はほとんど把握しておりません。カナダの色々な地名や場所の名前や名所を覚えたのは帰国してからでした。これもカナダが余りにも恋しくて地図を広げて色々な場所へ旅をする空想をしていたからです。

ですからビザを切り替えに行ったのがレースブリッジだとは思うのですが、ハッキリとは言い切れません。もしかしたらフォートマクラウドとかかもしれません。

バンフの両親に連れられてビザの延長に行ったのはカルガリーでした。そして、すごく緊張をしました。しかし、この時はとてもあっさりしたもので「いつまで居たいのか?」と訊かれただけでした。「カレッジで聴講生として通いたいので、半年は滞在したいと思います。」と答えました。するととてもアッサリ「OK学校に行くなら1年出しておきますから」と言われ、延長許可と書いてあるピンクの紙をいただきました。

簡単すぎて驚いたぐらいです。

この帰り道、生まれて初めて今で言う「ドライブスルー」を体験しました。

これも、昔、テレビ番組で見ていたので感激しました。何時頃でしたか邦子さんやデールたちと車に居ながら観る映画に行きましたがこれも感動モノでした。

このドライブスルーではハンバーガとコーラを注文しました。運転をするお父さんはハンドルを持ちながらかぶり付き、私は助手席で黙々と食べましたが、この時フリッツのお父さんに親しみを感じ、以後は「Dad」と自然に呼び、どんなことでも話をすることが出来るようになりました。